病院を出て、駐車場で伸びをしたとき、なんだか少しホッとしていた自分がいた。
今から思っても、はるくんが自閉症なのかそうでないのか悩んで、ネットなどの情報に踊らされて、一瞬期待したりすぐに落ち込んだりしていた時期が一番しんどかった。
診断を受けて、もうそこを悩む必要はなくなった。
この日は外食して家に帰った。
渡されたプリントには、自閉症の特徴や育児のアドバイスなどが載っていたが、この時の僕たちにはとてもじゃないけど飲み込める内容ではなかった。
特に抵抗があった文章が、「わざわざ無理していろんな所へ連れて行っても疲れるだけ」といった内容だ。旅行が好きな僕たちにはなかなか辛いことであった。
そんな厳しいことがたくさん書いてあり、改めて自分たちが大きな試練を与えられたことに気づかされた。
はるくんが寝て、ママが涙ぐみながら言った言葉は一生忘れられないと思う。
「普通の生活を送りたかった。」