はるくんの騒音?(走り回ったり、地団駄を踏んだり、大声を出したり)問題が出だしたころから、新居探しを始めていた。
橿原市にあるABCハウジングに通って、気に入ったメーカーにお願いすることとした。
なんとなくの憧れとして、「真美ヶ丘」での新生活を希望していた。
仕事関係でも割と住んでいる人が多かったのもあった。
僕の住んでいる地域では、真美ヶ丘の土地は値段が高い方だったけど、とりあえず良さそうな土地が売りに出ていたので、仮押さえをすることにした。
でもちょうどはるくんの診断がおりる頃のことだったので、メーカーの人にも、こういう事情があって住むところを迷っているんですという話をしていた。
売りに出ている土地の前に立って、はるくんの方を見ながら、「もしそういうことなら、ママの実家に近い高田市に住む方がいいよなぁ。ここから実家までは車でも20分はかかるし・・・」とか考えていた。
僕らの話を聞いて営業担当の方が、「一度オーナー様の中でそういった事情に詳しい方がいるか調べてみます」とおっしゃってくれ、はるくんが1歳8か月の頃に、奈良市にお住まいで、夫婦で養護学校の教師をされているお宅を訪問する機会をいただいた。
メーカーの建前上は、「エスコートハウス」といって、新築に近いお宅を僕らが見学しにいくという流れで手続きを踏んでくださっていた。
郡山イオンで手土産を準備して、いざお宅訪問!
「おぉ~、きれーい」
と、普通に家を見学しにきたみたいな感想から始まり、若い夫婦が出迎えてくれた。
内装もかなりきれいにされていて、普通に新築って感じだった。一通り、全体を見学させてもらったw
養護学校の先生は初めてだったけど、たぶん年齢も近く話しやすかった。
はるくんに対しても温かいまなざしで見てくださり、自閉症の子の良さを僕なんかより理解されていたので、すごく嬉しかった。はるくんもこんな理解ある人に囲まれて育ってほしいなと思った。
ご主人の意見で衝撃を受けた言葉があった。
はるくんの多動について僕らはすごく困っていたんだけど、そのお宅をうろちょろするはるくんに対して「安心して戻って来られるところがあるから、いろんなところへ探検できるんだね」という話し方をされた。
僕はそんな風に考えたことがなかった。でもそんな風に考えたらこちらの気持ちの負担も少し軽くなるなと思った。
1歳半健診のときと同じように、少しホッとした気持ちになって家路についた。
大丈夫、理解してくれている人もたくさんいる。